an-angel-3486-miyuのブログ

23歳の一人息子を自死で亡くし、独り遺された母が胸の内を綴ります。

行きつ戻りつ

当初、まだ身の置きどころがないような気持ちでいた頃
電話相談をしたことがある。


確か「自責の念に押し潰されそうで、どうしていいか分からない。
この苦しさから何とかして逃れたい。どうしたら早くここから
抜け出せるのか」というような話をしたと思う。


その時言って頂いた言葉を、今でもはっきりと覚えている。


「行きつ戻りつですよ」と。


今それを身をもって実感している。


人が口にする些細な一言に傷つき、また癒されもする。


自死や生と死に関連する本を読んで、知らなかった事が書かれていれば
あの時これを知っていればと後悔もし、仕方なかったと自分を納得させる
ような文章に出会うこともある。


インターネットのニュース欄に、心の病気の新しい情報が掲載されていれば
医学は日進月歩で進んでいるのだと思い知らされ、息子がいる頃はまだ無かった
のにと落胆する。


といった具合に。


以前より幾分、動揺の幅はせまくなったような気はするけれど
毎日毎日、自分を納得させたり後悔したりを繰り返しながら
澱んだ川のように日は過ぎてゆく。


それでもまだ、思いがけず大きな後悔に囚われて深く落ち込むことがある。


そんな時「行きつ戻りつですよ」という言葉を感謝と共に思い出す。
そして、急ぐことはないよ、少しずつだからね、と自分に言い聞かせる。


だって心は、エスカレーターのように規則正しく上がってはいかないのだから。
自分でも儘ならないのが息子を想う心なのだから。


ショウくん、お母さんの「行きつ戻りつ」はまだ当分続きそうだよ。