an-angel-3486-miyuのブログ

23歳の一人息子を自死で亡くし、独り遺された母が胸の内を綴ります。

歌声をありがとう

なんで二年三ヶ月も思いつかなかったんだろう?


そうだ、どこかに息子のデジカメがあったはず。
なんだ、すぐ近くにあったじゃない!
リビングの息子用のチェストの中に。


パソコンには何も残っていないし、携帯は無くなって
しまっているから、諦めていたけれど、急に思いついた。
デジカメがあったんだ。
もしかしたら何か残っているかも知れない。


で、


充電開始


数時間後


入ってる!!
息子の声が。


息子の歌声が聞こえる。


数枚の写真と、
五曲ほどアカペラで歌うテノール・バリトンの声。
絶対音感を持つ息子は歌が上手だった。


そういえば、ひょうきんなところがある息子は
面白がってデジカメに吹き込んでいたような気がする。


懐かしい歌声に、いなくなったこともすっかり忘れて
思わず笑ってしまった。
だって、軍歌オタクでもあったから、吹き込んであったのは
ロシアとドイツの軍歌、とにかく威勢がいい。


聴き終わってから、こんなに元気で陽気だった息子が
今はもういないことが不思議に思えて仕方なかった。


本当は、今の歌声が聴きたいな。
生きて、もっともっと色んな歌を歌ってほしかった。


それでも、あれから二年三ヶ月たった今、
歌声を聴かせてくれてありがとう。


天国に行ってからもお母さんを励ましてくれるんだものね。


嬉しかったよ、ありがとう。