an-angel-3486-miyuのブログ

23歳の一人息子を自死で亡くし、独り遺された母が胸の内を綴ります。

2016年9月のブログ記事

  • まだ・・・言えない

    あの時、どうしても言えなかった。 息子の死が信じられなくて、 どうしようもなく怖くて、 誰にも知られたくなかった。 父親代わりの私の弟、母、叔母二人(母の妹)の家族 そして私の十一人で、葬儀を執り行った。 他の親戚は今も知らないでいる。 仕事で関わっている人には一切言っていないし 近隣の人たちにも... 続きをみる

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  • 行きつ戻りつ

    当初、まだ身の置きどころがないような気持ちでいた頃 電話相談をしたことがある。 確か「自責の念に押し潰されそうで、どうしていいか分からない。 この苦しさから何とかして逃れたい。どうしたら早くここから 抜け出せるのか」というような話をしたと思う。 その時言って頂いた言葉を、今でもはっきりと覚えている... 続きをみる

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  • 沈む気持ち

    言葉にするのは難しいけれど、息子にはどこか老成したような 雰囲気があった。 それでだろうか。多くの人が行き交う街中でも、息子に似た若者を 未だかつて見たことがない。 だから今のところ、彼らに妬ましさを感じることはあまりない。 彼らから息子を想起することがないといえばいいのかもしれない。 ところが、... 続きをみる

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  • 想いを綴りたくて(遅ればせながらよろしくお願いします)

    ブログを始めたのは、生前息子がやっていた事や趣味の中から なにかひとつ、私にも出来る事がないかと思ったからです。 息子は高校時代は文芸部に所属していて、文章を書くのが好きでした。 特に旅のエッセイは好評でした。 文章なら息子への想いを綴ることが出来るし、一人で続けていけると ブログを思いついたので... 続きをみる

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  • 衝撃の後に

    ドラマチックな人生など、望んでいなかったのに とてつもない衝撃は突然やって来るのだとあの時知った。 息子が自ら命を絶ってしまったのだ。 多少の波風はあったものの、平凡だった私の人生は大きく覆された。 それまでの日常は消え去り、未来も軌道修正を余儀なくされた。 当初混乱のさなか、私は何を考えどう行動... 続きをみる

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  • 揺らぐ心

    七月に三回忌の法要を終えてから 夏の間幾分落ち着いていた気持ちが 九月の声を聞いたとたんに揺れだした。 淋しさを連れて秋が訪れを告げる。 「涼しくなったね」 「そうだね」 ほんの些細な会話も もうすることはない。 日が短くなるにつれ 淋しさは募る。 去年の今ごろは 息子が旅立ったばかりの一昨年は ... 続きをみる

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  • やつれ疲れた悲しい顔

    やっと四十九日を過ぎたばかりの頃だった。 それまで祭壇に置かれていたものを、お仏壇に移した。 遺骨も下の段に納めて視界に入らなくなった。 それは私に、ほんの気休め程度の安堵をもたらした。 あの、白い布が掛かった白木の祭壇が、嫌で嫌でたまらなかったのだ。 そんな時、自動車免許証の更新の葉書が届いた。... 続きをみる

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  • 諦めきれない想い

    「人間にとって最も大切なのは、  命の長さだと思っている人は多い、    しかし、私が出会った人をふり返ってみて、  その人の命が素晴らしい命だと  思える人においては、    ごく少数の例外はあるにせよ、  命の長さはあまり問題ではない」                             ... 続きをみる

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  • 見つからない答えを探して

    あのね、お母さん、ショウくんに聞きたいことがあるんだけど、 どうしてショウくんはお母さんのもとに生まれてきたの? 確かに生んだのはお母さんだけど、 子供は親を選んで生まれてくるっていうでしょう。 もしかして、 ショウくん...「あのママのところには僕が行くよ」   神様................. 続きをみる

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  • 遺された母の今

    「幸せな家族はどれもみな同じようにみえるが、不幸な家族は それぞれの不幸の形がある」 という、トルストイの小説「アンナ・カレーニナ」の冒頭の文章を、 私はどうして記憶しているのだろう。読んだこともないのに。 なぜだか分からないが、息子を亡くしてからよく脳裏に浮かぶようになった。 家族.....今の... 続きをみる

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  • 息子の遺影

    毎朝、お仏壇に水とご飯をお供えして、お線香をあげお鈴を鳴らす。 手を合わせている間、透き通った音色が響いている。 写真の息子は笑っている。 どことなく、あどけなさが残っていて、 はにかんでいるようにも見える。 「おはよう。今日は朝から暑いね」と話しかける。 返事はかえってこない。 息子の声が聞こえ... 続きをみる

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  • 雲を見て息子を思う

    ふと窓の外を見ると 夏のなごりの雲が目に入る 息子のことを 思う自分がいる 失ったからこそ 思うのだ 失わなければ 分からなかったのだ と思う

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  • 息子の時計

    ショウくんが大学に入学した時、記念に頂いた、あの置き型のデジタル電波時計、 あれね、たまに突拍子もない時間を表示するんだよ。 最初は、乾電池が切れたのかなって思って、交換してみたんだけど、やっぱり全く違う 時間を表示するの。 でも、しばらくしてから見てみると、ちゃんと正確な時間にもどってる。 ね、... 続きをみる

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